推し活を楽しむファンにとって、遠征やイベント参加は日常の一部となりつつあります。
しかし、急な体調不良や交通トラブル、イベントの中止といった予期せぬ事態で遠征をキャンセルせざるを得ないケースも少なくありません。

こうした状況を受けて登場したのが「推し活キャンセル保険」です。
宿泊費や交通費のキャンセル料を補償するこの保険は、万が一のリスクに備える心強い存在として注目を集めています。
一方で、保険料や補償範囲、手続きの手間を考慮すると、本当に入るべきかどうかは人によって判断が分かれるところです。
本記事では、推し活キャンセル保険に入るべきかをテーマに、メリットと注意点、費用や契約方法、さらには保険が誕生した背景まで詳しく解説していきます。
推し活をもっと安心して楽しむための選択肢として、ぜひ参考にしてください。
推し活キャンセル保険に入るべきか?
推し活キャンセル保険には入るべき価値があります。
理由は、急なキャンセルによる金銭的損失を補償してくれる安心感が得られるためです。
推し活キャンセル保険は、体調不良やイベントの中止など、避けられないトラブルに備えられる手段として注目されています。
一方で、補償対象外のケースや手続きの煩雑さといった注意点も存在します。
入るべきかどうかは、メリットとデメリットを理解した上で、自身の推し活スタイルに合うかどうかがポイントとなります。
入るべきメリット
推し活キャンセル保険に入るべき理由のひとつは、急なキャンセルによる経済的ダメージを軽減できる点にあります。
イベントの中止、体調不良、交通機関のトラブルなど、推し活には予期せぬリスクがつきものです。
こうしたトラブルによって生じた宿泊費や交通費のキャンセル料を補償してくれるのは大きな魅力です。
また、補償対象の幅も広く、家族の入院や感染症といった事情にも対応しているため、安心感があります。
保険料も比較的安価で、若い世代でも気軽に加入しやすいことから、推し活キャンセル保険には入るべき要素が多く含まれています。
入るべきではない理由
推し活キャンセル保険には入るべきでないと考える人もいます。
その理由の一つは、補償対象外となるケースがあることです。
たとえば、チケットが未確定の状態で予約した遠征のキャンセルなどは補償の対象外になります。
また、実際に保険金を請求するためには証明書類の提出が必要で、手続きが煩雑になる可能性があります。
推し活キャンセル保険が保険商品として登場したのは2025年であるため、実績は浅いと言えますが、保険金の受取率は低い傾向にあり、多くの加入者が保険料だけを支払って終わるケースが見込まれるという現実もあります。
推し活キャンセル保険に入るべきかどうかを考える際は、補償内容や請求手続きの負担、実際の受給可能性までを踏まえて慎重に判断する必要があります。
推し活キャンセル保険について
推し活キャンセル保険は、遠征時の急な予定変更による損失を補償してくれる新しい保険です。
保険料は遠征費用に応じて設定され、補償金額の上限も自由に選べます。
補償内容はイベントの中止や交通機関のトラブル、体調不良など多岐にわたり、安心して推し活を楽しめる仕組みです。
契約手続きはオンラインで完結し、条件も明確に定められています。
推し活キャンセル保険の詳細については、金額や内容、契約方法を以下で詳しくご紹介します。
金額はいくら?
推し活キャンセル保険の金額は、予約した遠征費用に応じて保険料が決まり、上限補償額も複数の選択肢から選べる仕組みです。
たとえば3万円の遠征費に対し保険料が760円程度(料率約2.5%)となるケースがあります。
簡単にまとめると次のような金額になります。
遠征費用(円) | 保険料(円) | 料率(%) |
---|---|---|
10,000 | 253 | 2.53 |
30,000 | 760 | 2.53 |
50,000 | 1,265 | 2.53 |
100,000 | 2,530 | 2.53 |
200,000 | 5,060 | 2.53 |
※Mysurance社の契約内容の一例を表にしています。
また、スカイマークが提供する推し活キャンセル保険では、距離に関係なく片道1座席あたり500円という設定も存在します。
補償金額の上限は5万円から100万円まで段階的に設定されており、実際の遠征費用に合わせて柔軟に選択可能です。
補償対象は宿泊費や交通費に限られ、イベントチケット代は対象外となっています。
推し活キャンセル保険では、無駄のない補償設計と、費用対効果の高い保険料設定が特長です。
保険内容について
推し活キャンセル保険の補償内容は非常に多岐にわたり、さまざまな予期せぬ事態に対応できる柔軟さが魅力です。
主な補償対象は、イベントや公演の中止・延期、交通機関の遅延・欠航、インフルエンザなど感染症の発症、家族の急な入院や子供の発熱、ペットの手術や入院などが含まれます。
一方で、チケット未確定の状態でのキャンセルや、出演者変更で公演自体が実施される場合などは補償対象外です。
推し活キャンセル保険では、実際に発生した宿泊費や交通費のキャンセル料を契約した保険金額の範囲内で補償します。
あらゆるファンのリスクに寄り添う内容設計が、推し活キャンセル保険の大きな特長です。
契約方法について
推し活キャンセル保険の契約方法は、Webを中心としたシンプルで分かりやすい流れになっています。
Mysuranceを利用する場合は公式サイトから申込でき、旅行予約日から14日以内かつ遠征開始日まで9日以上あることが条件です。
また、スカイマークの推し活おうえん保険は航空券購入後7日以内かつ搭乗7日前までにWeb上で手続きが必要です。
申し込みには18歳以上であること、イベントチケットを既に確保していること、宿泊費や交通費の金額が確定していることが求められます。
解約は出発の16日前までなら全額返金される制度もあり、万が一のキャンセル時も安心です。
推し活キャンセル保険は、計画的な遠征を支える強い味方となっています。
推し活キャンセル保険ができるまで
推し活キャンセル保険は、推し活を安心して楽しめる環境を整えるために開発されました。
損害保険ジャパン株式会社の子会社であるMysurance株式会社と、推し活に特化したOshicoco株式会社が協力し、多くのファンの声をもとに設計されました。
推し活キャンセル保険は、キャンセル時の経済的損失を補うだけでなく、精神的な不安を軽減する目的もあります。
保険会社の特徴や誕生の背景については、以下で詳しくご紹介します。
推し活キャンセル保険の保険会社
推し活キャンセル保険は、Mysurance株式会社(マイシュアランス)が中心となり、株式会社Oshicoco(オシココ)と共同で提供している保険商品です。
Mysuranceは損害保険ジャパン株式会社の100%子会社として設立され、少額短期保険業を通じてシンプルでデジタル完結型の保険を展開しています。
推し活キャンセル保険は、Mysuranceが得意とするスピード感ある商品開発と、Oshicocoが築いた推し活コミュニティへの深い理解により誕生しました。
Oshicocoは、SNS運用やグッズ販売、イベントなどを手がけるスタートアップで、「スキ」の力で人々の生き方を肯定するビジョンを掲げています。
推し活キャンセル保険は、両社の強みを生かした共同プロジェクトであり、推し活に寄り添う新しい保険の形です。
また、スカイマークで購入した航空券のみが対象の「スカイマーク推し活おうえん保険」は、第一スマート少額短期保険株式会社がスカイマーク株式会社と協業してつくられています。
推し活キャンセル保険ができたきっかけ
推し活キャンセル保険は、推し活中の遠征キャンセルによる経済的損失や精神的負担を軽減する目的で誕生しました。
背景には、イベントの急な中止や体調不良、交通機関のトラブルなどにより、自己都合ではないキャンセルが増加していたことがあります。
Mysurance株式会社と株式会社Oshicocoが実施した調査では、推し活の遠征をキャンセルした経験がある人が約2割、うち3万円以上の損失を被った人も多数存在しました。
しかしながら、キャンセル保険の認知度は依然として低く、多くのファンが金銭面と感情面の両方でダメージを受けていたのが現状です。
推し活キャンセル保険は、こうしたファンの声に応える形で、誰でも手軽に加入できる仕組みとして開発されました。
推し活キャンセルの実情について
推し活キャンセル保険が求められる背景には、キャンセルの頻度と損失額の大きさが関係しています。
推し活キャンセルは決してまれな出来事ではなく、費用の自己負担が重くのしかかるケースもあります。
推し活キャンセル保険は、こうしたリスクに備える手段として注目されています。
キャンセルの発生割合や金額の実態については、以下で詳しく解説していますので、ぜひ続けてご覧ください。
キャンセルの割合について
推し活のために遠征した人がキャンセルを経験した割合は約20%です。
キャンセルを経験するファンが非常に多いことから、推し活キャンセル保険が必要とされる理由の一つであることがわかります。
Mysurance株式会社とOshicoco株式会社による調査では、推し活のために遠征した人のうち約20%、つまり5人に1人が何らかの事情で遠征を断念した経験があると報告されています。
さらに、キャンセルを経験したファンの中で約3分の1が、交通費や宿泊費などで3万円以上の費用を自己負担していたことがわかっています。
このように、推し活キャンセルは想像以上に身近なリスクであり、金銭的にも大きな負担を生むため、推し活キャンセル保険の必要性が高まっています。
キャンセルのパターンと損失額について
推し活キャンセル保険が注目されている理由には、キャンセルの原因が多岐にわたり、損失額が大きくなりやすいことがあります。
イベントや舞台の中止、台風による交通機関の欠航、本人や家族の体調不良、急な入院、さらにはパスポートの期限切れなど、さまざまな要因で遠征が中止されるケースが報告されています。
実際の事例では、キャンセル料が2万円〜25万円以上に達するケースもあり、航空券や宿泊代の損失が大きな割合を占めています。
具体的な補償事例
- 地震によるイベント中止:宿泊代キャンセル料 20,700円
- 舞台公演中止(演者コロナ感染):ツアー代金キャンセル料 15,945円
- タイ人俳優コンサート中止:航空券・宿泊代キャンセル料 96,912円
- 韓国人俳優ファンミーティング中止:航空券・宿泊代キャンセル料 247,196円
- 自身の体調不良による不参加:キャンセル料約50,000円
特にチケット代は返金される場合がある一方、交通費や宿泊費は自己負担になることが多いため、推し活キャンセル保険で備えておくことが経済的リスクの回避につながります。
まとめ
推し活キャンセル保険は、遠征時の急な予定変更による経済的損失を補償する保険として、多くの推し活ファンにとって心強い存在です。
Mysurance株式会社とOshicoco株式会社による共同開発により誕生したこの保険は、イベントの中止や体調不良、交通機関のトラブルなど、さまざまな理由によるキャンセルに対応しています。
補償内容が明確で、保険料も手頃なため、推し活キャンセル保険に入るべきと感じる方は少なくありません。
一方で、実際に保険金を受け取れる人は限られ、手続きの手間も存在するため、入るべきかどうかは個々の状況に応じた慎重な判断が必要です。
キャンセルの発生割合や損失額のデータを踏まえ、自身の遠征頻度や家族環境に応じて、推し活キャンセル保険の加入を検討することが、安心して推し活を続けるための選択肢となります。
コメント