全国高校野球の運営を担う日本高等学校野球連盟、通称「高野連」は、甲子園大会をはじめとする数多くの公式戦を管理しています。

その組織を支えるのが高野連の役員であり、各役員は教育、スポーツ指導、報道、行政など多岐にわたる分野での豊富な経歴を持っています。
役員の経歴は選考過程や組織運営の方向性にも大きな影響を与え、野球界全体の発展にも関わる重要な要素です。
また、高野連の役員には無報酬で活動する者と、規程に基づき報酬を受け取る者が存在し、その仕組みや金額は外部から関心を集めています。
本記事では、高野連役員の経歴や報酬の概要、広島県広陵高校関係者の役員就任事例、高野連が老害と批判される背景、さらに問い合わせメールの方法まで、組織の実態を幅広く解説します。
高野連役員の経歴と報酬について
高野連の役員は、教育界や野球指導の現場、報道や実業界など幅広い分野で豊富な経歴を持つ人物が選ばれています。
評議員会や理事会の決議を経て就任し、会長や副会長など主要な役職には特に高い専門性と経験が求められます。
報酬については、会長や専務理事など一部の役員に規程に基づく支給がある一方、多くの役員や審判員は無報酬で活動しています。
ここからは、高野連役員の具体的な経歴や報酬体系の詳細についてご紹介します。
高野連役員の経歴
高野連の役員は、学術、実業界、メディア、スポーツといった幅広い分野で活躍してきた経歴を持つ人物が多く在籍しています。
会長の寶馨(たから かおる)さんは京都大学名誉教授で工学博士、防災科学技術研究所の理事長も務める防災研究の第一人者であり、学生時代から野球にも深く関わってきました。
最高顧問は脇村春夫さん、八田英二さん、角田克さん、松木健さんの4名です。
脇村春夫さんは元高野連会長で東京大学法学部卒、社会人野球や企業経営で実績を残し、野球殿堂入りを果たした人物です。
八田英二さんは同志社大学名誉教授で経済学者としての経歴を持ち、高野連会長や大学野球連盟会長も歴任しました。
さらに、角田克さん(朝日新聞社社長)や松木健さん(毎日新聞社社長)といった報道界のトップも最高顧問として名を連ねています。
2025年時点での経歴などのまとめは次のとおりです。
役職 | 氏名 | 主な経歴・特徴 |
---|---|---|
会長 | 寶 馨 | – 1957年生まれ。京都大学名誉教授、工学博士。国立研究開発法人防災科学技術研究所理事長。 – 兵庫県立西宮北高校出身で高校球児。京都大学硬式野球部の監督も務めた。 – 2021年12月から高野連第8代会長。改革推進中。 |
最高顧問 | 脇村 春夫 | – 1932年生まれ。元高野連会長(第5代)。 – 東京都出身、東京大学法学部卒。高校・大学野球選手経験あり。 – 東洋紡績で役員経験、野球殿堂入り(2019年)。 |
最高顧問 | 八田 英二 | – 1949年生まれ。経済学者、同志社大学名誉教授、元高野連会長(第7代)。 – 学術研究、大学運営にも尽力し、大学・高野連双方で重要な役割。 |
最高顧問 | 角田 克 | – 1965年生まれ。朝日新聞社代表取締役社長。 – 群馬県出身、早稲田大学法学部卒。朝日新聞で編集局長等を歴任。 – 2024年から朝日新聞社長。高野連最高顧問も兼任。 |
最高顧問 | 松木 健 | – 1961年生まれ。毎日新聞社代表取締役社長。 – 岩手県出身。東京外国語大卒。毎日新聞で編集局長等歴任。 – 2022年から社長。高野連最高顧問を務める。 |
このように、高野連の役員は野球経験者に限らず、教育・経済・報道など多様な分野で豊富な経歴を積んだ人材が集まり、全国高校野球大会の運営や発展に貢献しています。
高野連役員の報酬
高野連では、会長や専務理事など一部の主要役員に対して報酬が支払われています。
公益財団法人として「役員報酬規程」が設けられ、一定の基準に沿った報酬体系が存在します。
一方で、八田英二さんの発言によれば、多くの大会役員や審判員は金銭的報酬を受けず、ボランティアとして情熱をもって大会運営に携わっているのが現状です。
つまり、高野連の役員には報酬を受け取る立場と無報酬で活動する立場の両方が存在し、役職によって待遇が異なります。
財源は企業や野球関係者からの寄付や協賛金によって支えられており、役員報酬もその中から賄われていると考えられますが、具体的な金額や支払い条件は公表されていません。
こうした仕組みから、高野連の役員報酬は透明性よりも役割や貢献度に重きを置いた運用がなされているといえます。
広島県広陵高校の高野連役員
広島県内で高野連の役員を務める広陵高校関係者は、校長の堀正和さんです。
堀さんは広島県高等学校野球連盟の副会長を務め、地域の高校野球運営に深く関わっています。
1985年に広陵高校に着任し、教諭・主幹教諭・教頭を経て校長となった経歴を持ち、1997年から2001年には野球部部長として監督の中井哲之さんと共にチームを支えました。
2008年には文部科学大臣優秀教員表彰を受賞するなど教育者としての評価も高く、ICT導入や学力向上にも取り組んできました。
広島県の高野連副会長としても、競技振興と教育の両面から高校野球に貢献しています。
高野連が老害と言われる理由
高野連が老害と批判される最大の理由は、時代に合わせた改革よりも伝統や既存ルールを優先する運営姿勢です。
特に、酷暑の中での甲子園開催を続ける方針や、選手のガッツポーズなどのパフォーマンスやユニフォームに関する靴下は白、ベルトは紺か黒といった過剰な規制は、「選手の安全や個性より大会の形を守ることを優先している」と受け取られやすくなっています。
また、高野連役員の高齢化と保守的な意識が、新しい発想を取り入れる妨げとなり、外部との連携や指導者育成の改善も遅れています。
こうした硬直的な体質や若手の意見を軽視する風土が重なり、高野連は老害と評される状況を招いています。
高野連への問い合わせメールについて
高野連への問い合わせは可能ですが、公式ホームページには直接送信できるメールアドレスが公開されていません。
基本的には電話やFAXでの連絡が中心で、大阪市西区江戸堀にある中沢佐伯記念野球会館内の事務局が窓口となります。
電話番号は06-6443-4661、FAXは06-6443-1593です。
問い合わせメールを送りたい場合は、各都道府県の高等学校野球連盟事務局が設けている問い合わせフォームやメールアドレスを利用する方法があります。
例えば島根県高野連のように、公式サイトからメール送信が可能な地域も存在します。
正確な対応時間や方法は事前に電話で確認すると安心です。
まとめ
高野連は全国高校野球の統括組織として長い歴史を持ち、その運営を担う役員は多様な経歴を背景に活動しています。
教育現場での指導経験や行政での実績、さらには報道分野で培った知識を持つ役員が集まり、組織の方針や大会運営に反映しています。
一方で、伝統を重視する姿勢が改革の遅れや硬直化を招き、高野連が老害と批判される要因にもなっています。
広島県広陵高校関係者が役員を務める事例など、地域や学校のネットワークも経歴の一部として影響を与えています。
また、問い合わせ方法は電話やFAXが中心で、メールでの直接連絡は限られたケースにとどまります。
高野連の役員の経歴や報酬の実態、批判される背景や連絡手段を理解することは、高校野球の未来を考える上で重要な視点と言えます。
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